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New ITBOX-S

ITBOXは、単なる植物インキュベータではありません。植物インキュベータにデータロガーの機能が付加されたものです。温度、湿度、気圧、照度の自動計測を始め、I2Cセンサーの追加も容易です。カメラの自動撮影にも対応しています。

ITBOX-Sがリニューアルしました。ITBOX-Sは、室内栽培装置アイティプランターに温度制御機能とデータロガー機能を付加した、低価格で、高性能なインキュベータです。

インターネットを介して、すべての操作やデータのモニタリングが可能です。

改良点は、以下の通りです。

  1. ペルチェユニットの改良で冷却能力向上
  2. Raspberry Pi zero
  3. W採用で小型化24時間を超える温度調整設定が可能

重要な温度調整ペルチェユニットに、大型で静かな冷却ファンを搭載しました。また、小さなRaspberry Pi Zero Wを採用して、制御回路を背面に取り付けられるようになりました。

Raspberry Piへのアクセスもよくなり、USBの接続や取り外しが簡単です。

庫内も広く使えます。センサーも測定したい場所に移動できます。

1日24時間を超えて、温度変更時間が設定できます。最大設定時間は、4085年と、事実上、無制限になりました。

この機能により、22度設定を30時間、35度設定を40時間継続して、繰り返すようなことができます。

各種機能のカスタマイズやアプリのカスタマイズも承ります。

性能向上のために、仕様や価格は、予告なく変動する場合があります。ご了承下さい。

お求めは、ここから。

http://itplants.theshop.jp

事前に、栽培品目(植物? 藻? ミドリムシ?)、栽培方法(水耕栽培、試験管培養、シャーレ、フラスコ栽培、土耕栽培など)と必要な栽培温度、温度サイクル、照度などお知らせ下さい。対応できるようにカスタマイズをご提案させて頂きます。

お問い合わせは、ここからお願いいたします。

    植物育成温度調整キットについてのお問い合わせにご利用ください。

    チェックを有効にして送信してください。

    機器構成

    空調ボックスと室内栽培装置アイティプランターを使った機器構成を説明いたします。

    空調ボックス側面図

    市販の扉付きカラーボックスの内側に断熱材を貼り付けてアイティプランターを置きます。アイティプランターのLEDからは熱が発生するので、空調ボックス外に放熱するためにヒートパイプを使います。

    背面に取り付けたペルチェ素子で、空調ボックス内の温度をコントロールします。アイティプランターの底面には、RaspberryPi3やPWMコントローラーが入っています。コントローラーは後背面に取付けることもできます。

    次に、空調ボックスに付いているセンサーについて説明いたします。温湿気圧センサーにはBME280を使っています。照度センサはTSL2561です。DS18B20でペルチェ素子の温度を測定しています。IRカメラは、Raspberry Pi 用 赤外線カメラモジュール Pi NoIRを使っています。この赤外線カメラは、アイティプランターのLEDが点灯している時はカラー写真が撮影できます。アイティプランターのLEDが消灯して、IRライトだけが点灯している時には、白黒写真になります。反射光量センサーや水位センサーは、アイティプランター内蔵のものです。

    空調ボックスのセンサー類

    空調ボックスの前面から見た図です。アイティプランターがボックスの中心に設置されています。

    空調ボックスの前面図

    1台のアイティプランターが入るボックスの大きさは、40cmと60cmの2種類があります。40cmボックスはコンパクトですが、空いているスペースが少なく拡張性に劣ります。60cmボックスには十分なスペースがあるので、プラズマクラスターを配置することができます。また、必要に応じて湿度調整機能やCO2調整機能などを付加することができます。

    高さ178cm、幅79cmのカラーボックスを使えば、最大、6台のアイティプランターが1つのボックスに入ります。この場合、空調設定は、3段、4段と積み重ねることができます。積み重ねると、狭い研究室の設置面積を効率よく利用できます。

    ブロック図

    メイン制御回路である、RaspberryPi3に接続されている機器のブロック図を示します。インターフェースは、I2C、1-Wire、USBになります。IRライトは、IRカメラと一体にしてあります。

    RaspberryPi3ピン割当

    RaspberryPi3のGPIOのピン割当図を示します。RLはリレーに割当るもので、使われていません。SDA、SCLがI2Cです。w1が1-Wire、DIRとPWMがペルチェ制御用です。

    センサー情報

    BME280

    秋月電子スイッチサイエンスなどで購入できます。I2Cで通信します。アドレスは、0x76です。詳しい説明は、BME280搭載 温湿度・気圧センサモジュールの使い方にあります。

    基盤に直接、リード線を半田付けできるので、ヘッダーピンはつけなくても構いません。

    J3のジャンパも接続しなくても、0X76で認識されます。1番ピンを3.3V、2番ピンをGNDに、4番ピンwoSDA、6番pinをSCLにsetuzokusureba,I2C通信ができます。

    コマンドは、/home/pi/src/ITBOX/BME280.py です。実行すると、

    pi@raspberrypi2:~/src/ITBOX $ ./BME280.py
    hum 51.83 press 1017.5 tmp 21.80

    のように表示されます。tempController.jsでも、このコマンドを使って、温湿度、気圧を取得しています。

    DS18B20

    DS18B20は、1-Wireの温度センサーです。秋月電子で購入できます。DS18B20をペルチェの放熱板に接触させて、ペルチェ温度を測定しています。

    ピン配置は、真ん中がデータ線です。両側が電源線で、3番ピンが+です。1番ピント3番ピンを間違えて電源を入れると、燃えてしまうので注意が必要です。また、2番のデータピンには、4.7kΩの抵抗を介して3.3Vを与えます。そうしないとデータが読めません。

    /home/pi/src/ITBOX/DS18B20.pyで、データが読めます。

    pi@raspberrypi2:~/src/ITBOX $ ./DS18B20.py
    2017/01/26 11:06:13 28-0000086d63fb 20.375 deg  28-0000086d3bde 21.062 deg

     

    1-Wireは、並列接続すれば、複数のセンサーを同時に利用できます。但し、1-Wireデバイスは、通信速度が遅いので、データ取得までに、少し間が空きます。

    TSL2561

    TSL2561も、秋月電子スイッチサイエンスで購入できます。CdSセルのようなシンプルな光センサとは異なり、より正確に明るさを調べることができます。可視光だけでなく赤外線光についても計測でき、人間の目に近い応答をします。 I2Cでデータを取得できます。アドレスは0x39です。

    これも、GND、SCL、SDA、VCC(3.3V)に接続すれば動作します。

    /home/pi/src/ITBOX/TSL2561.py

    pi@raspberrypi2:~/src/ITBOX $ ./TSL2561.py
    Lux: 54277

    pi@raspberrypi2:~/src/ITBOX $ ./quick2wire-python-api/TSL2561.example.py
    0a
    34 0c
    fa 78
    Full:     78fa
    Infrared: 0c34
    Visible:  6cc6
    0a
    IR: 418
    Full: 4185
    Visible: 3766
    Visible, calculated: 3767
    Lux: 54248

    ペルチェ起動モジュール

    ペルチェ素子の起動には、MD13S DCブラシモータードライバー 30V 13A PWM信号入力制御を使っています。DIRピンが出力の極性切り替え、つまり、冷却と暖房の切り替え、PWMが出力パワーになります。連続出力電流が13Aあるので、最大6Aのペルチェ素子が2基、駆動できます。入力電源は12Vです。最大72Wになります。

     

     

     

     

    温度調整性能

    ペルチェから出た空気の温度を測定して、ペルチェへの入力をコントロールします。ボックス内の温度は僅かに分布するので、温度センサーの取り付け位置で、目的の場所の温度をコントロールできます。

    ペルチェに入力する電源の極性を変えることで、ペルチェで冷却したり、ペルチェで暖房したりできます。最大電力でペルチェで暖房した場合には、ペルチェ素子が100度になるまで温度が上昇します。最大電力でペルチェで冷却した場合には、ペルチェ素子が凍結するほど冷えます。ペルチェ素子の温度が高すぎたり、凍結していたりすると故障の原因になります。そこで、ペルチェ素子に、DS18B20を貼り付けて、温度を測定しています。DS18B20は、1-Wire型のセンサーで、簡単に複数のDS18B20を使うことができます。ただし、1-Wireの応答は遅く、高速な計測には向いていません。

    また、温度設定値も細かく設定する方が、安定して滑らかにボックス内の温度をコントロールできます。下図は、18度から15度に冷やした場合の温度変化の一例です。急激に冷やしたりすると、PIDパラメータの値によっては、細かな振動が発生して、温度が安定しなくなります。

    PIDの値を調整して、分刻みで目標温度を設定すると、下図のようになり、温度が安定します。

    設定した目標温度とも一致します。ペルチェえの投入パワー変動も少なくなり、省エネになります。

    また、PIDのゲインを高めても、振動しなくなります。ペルチェの駆動には、MD13S DCブラシモータードライバー 30V 13A PWM信号入力制御を使っています。エレファインで購入できます。13Aまで出力できるので、6Aのペルチェを2基、駆動できます。RaspberryPiからのPWM信号を使っています。

     

     

     

     

    組立て方

    組立に必要な工具類

    工具類は、キットには含まれていませんので、ご用意ください。

    1. ドライバー
    2. 精密ドライバー
    3. 半田ゴテ、ハンダ
    4. 電動ドリル
    5. ホットメルト
    6. ニッパー
    7. 金槌
    8. ラジオペンチ
    9. ビニールテープ
    10. 両面テープ
    11. 糸鋸、または、ジグソー
    12. カッターナイフ
    13. テスター
    14. アクリルサンデー(アクリル用接着剤)
    15. 金切りバサミ
    16. 平ヤスリ
    17. 導熱グリス

    アイテイプランターの加工

    アイティプランターの天板部分後面にヒートパイプを入れる穴を開けて、ヒートパイプを取り付けます。アイティプランターの加工は、アイティプランターの組立前に行ってください。

    先ず、アイティプランターのLED部分を取り出して、ネジを外します。

    カバーを外して、LED基板を止めているネジを外します。

    LED基板を取り外してください。

    LEDケースの後部に、ヒートパイプ4本を通す穴を開けます。4mm径のドリルで、横一列に穴を空けていき、金切りバサミで穴の間の樹脂を切り取って連結して、ヤスリをかけて滑らかにします。

    ヒートパイプが通るように、リブ部分も取り去ります。リブの根本近くに穴を開ければ、簡単に折ることができます。

    ヒートパイプが通るようになれば、LED基板の裏側に銅板を貼ります。絶縁テープで固定してください。

    次に、銅板の上に、導熱グリスを塗って、ヒートパイプと密着させます。

     

    LED基板をケースにネジ止めして固定します。

    カバーを取付けて、コネクターを接続します。

    後は、アイティプランターの組み立て方と同じです。アイティプランター附属の取扱説明書をよく読んで組み立ててください。

    カラーボックスの組立

    カラーボックスの組立説明書に従います。ただし、カラーボックスに附属の裏板は取り付けません。代わりに、背面板をネジ止めで取り付けます。背面板とカラーボックスには、4mmのドリルでネジ穴を開けて、M5X30なべタッピングネジで取り付けます。

    断熱材の貼り付け

    カラーボックスの内側に断熱材を貼り付けます。付属の釘で貼り付けてください。

    断熱材は、上下に貼りつけた後、左右の側面を貼りつけます。もし、隙間ができた場合にはテープ等で隙間をふさいでください。また、扉が閉まることを確認しながら、断熱材を貼ってください。

    断熱材は、左右対称です。また、断熱材は、カッターナイフで簡単に切れます。寸法の微妙な調整は、カッターナイフで切って行ってください。

    背面板の組立

    背面板に断熱材を貼り付けて、ペルチェ冷却ユニットを取り付けます。また、CPUファンをペルチェに取り付けます。

    ファンに付いている金具を取ります。ネジを外して、金具を取ります。ヒートパイプとペルチェが接触する部分には、ファンに附属の導熱グリスを塗ります。導熱グリスを塗るのは、断熱材を取り付けてからにしてください。

    ファンを背面板に取り付けます。 

    ファンはネジ止めします。ネジが入りやすいようにガイド穴をドリルで開けておくと良いでしょう。

    仮止めが終わったら、一旦、ファンを取り外して、背面板に断熱材を貼りつけて、ファンの穴を空けて、ファンを取り付け直します。ファンから出ている三線は、真ん中が+12Vで、破線模様が付いている線がGNDになります。

    ファンのコネクターは切断して、左右のファンの +12VとGNDを重ねて、接続コネクターで12V分電盤に接続します。裏

     

    ペルチェの取付

    ペルチェユニットに付いている冷却ファンは小さくって、凍結するので、取り外して、前述のファンと取替えます。ファンを取り外すと、白い導熱グリスがでてきます。指で触れないように注意してください。

    ペルチェは、ヒートシンクに穴を開けて、ペルチェ取付ネジで、背面板にネジ止めします。

    ペルチェからでているリード線は、赤色が12Vで、黒色がGNDになります。

    次に、背面板に12Vスイッチング電源をネジで取り付けます。電源ケース横のネジを外して、スライドさせれば蓋が外れます。

    2ヶ所の穴で背面板にネジ止めしてください。

    スイッチング電源の配線は、L、NがAC100Vです。+Vが12V、-VがGNDになります。AC100Vを+V、-Vに接続すると電源が燃えて、壊れるのでご注意ください。なお、スイッチング電源に接続するリード線には、Y型圧着端子を付けてください。リード線が外れないように、ハンダを流し込んでおくと良いでしょう。

     

    電子回路の配線

    回路取り付けケースに、RaspberryPi3やドライバー回路等を取り付け、配線を行います。

    回路基板の取付けには、貼付けボスを使います。

    DC12V分電は背が高いので、ケースに穴を空けて、直接、ネジで取付けます。

    ファンやペルチェなどの12V電源を供給するベースになります。また、12VからDCDCコンバータで5Vにして、RaspberryPiに給電します。

    ペルチェドライバー

    ペルチェには、ドライバーの出力端子から給電します。DIRが0の時は冷房、1の時は暖房になります。回路取り付けケースは、穴を開けて、背面板にネジ止めします。

    配線

    RaspberryPi3のGPIOのピン割当を示します。RaspberryPi3のUSB端子側が下になります。逆指ししないようにご注意ください。

    RaspberryPi3のGPIOには、コネクターを挿します。方向にご注意ください。リボンケーブルの赤色が1番ピンです。リボンケーブルからの配線は、リード線を半田付けします。ショートしないように熱収縮パイプを入れて、半田したところを絶縁します。

    I2C、1-Wire、ペルチェドライバー制御に使います。I2C、1-Wireは、複数のデバイスを接続できます。

    GPIOからの配線図を示します。I2Cは、ターミナルを使って接続するようにしています。

    12V電源は、多くの部品が必要とするので、分電盤で接続するようにします。ユニバーサル基板にドリルで穴を開けて、プッシュターミナルを差し込み、裏側からメッキ線ではんだ付けします。利用時には、+12VとGNDを間違えないように、ご注意ください。

    12Vの分電盤からの配線を示します。RaspberryPi3の5V電源も、12VからDCDCコンバーターで5Vにして使っています。DCDCコンバーターから5V出力するには、テスターで出力電圧を見ながら、DCDCコンバーターの可変抵抗を回して出力電圧を調整します。

     

    ファンやIRライトは連続稼働です。

    I2Cターミナル

    I2Cは、並列接続できるので、ターミナルにしておくと便利です。

    ユニバーサル基板にプッシュターミナルを並べて結線します。DS18B20は、1-Wireなので3.3VとGNDだけ使います。

    なお、センサー類の配線には、4芯シールド線を使います。センサー配線に入っている抵抗は、4.7kΩの1-Wireプルアップ用です。

    BME280

    BME280は、温度、湿度、気圧が測定できるセンサーです。RPIでの利用方法は、ここを参照してください。J3にハンダを流し込むことを忘れないでください。

    IRカメラ組立

    IRリングライトの中央の穴にIRカメラを取付けます。カメラとライトがしっかり接着されるようにホットメルトは多めに使ってください。IRライトの接続コネクターは、赤リード線がGNDで、白リード線が+12Vです。極性を間違えるとIRライトは点灯しないので、ご注意ください。

    ボックス内組立

    ボックスに、回路取り付けケースを入れて、その上にアイティプランターを載せます。背面板にヒートパイプを通して、ボックス背面にねじ止めします。

    ヒートパイプ冷却部取付

    ヒートパイプを取り付けたアイティプランターをボックス内に入れて、背面板から出ているヒートパイプに冷却部(ヒートパイプファン)を取り付けます。ヒートパイプファンは、2枚のアルミ板の間に4本のヒートパイプを挟み込み、ファンで強制冷却するものです。

    ファンの電源は、赤線が+12V、黒線がGNDです。12V分電盤に接続してください。

    4本のヒートパイプが背面板の穴を介して、ヒートパイプファンとアイティプランターのLED部分を連結します。

    ヒートパイプとアルミの間に、導熱グリスを塗ると冷却効率が良くなります。

    センサー類取付

    温湿気圧センサー、照度センサー、IRカメラ、IRライトをアイティプランターに取り付けます。照度センサーは、アイティプランターのLEDライトを受けるようにセンサー側が上になるように取り付けます。温湿気圧センサー、IRカメラ、IRライトは、アイティプランターの支柱に取付けると良いでしょう。センサー類は、取り外ししやすいように、テープで止めておくのが良いでしょう。

     

     

     

     

    ITBOX-SH

    アイティプランターに取り付けるITBOX-Sの新型を開発しました。ユーザー様のご要望は、「しいたけの通年栽培」とのことでした。

    果たして、しいたけ栽培に光は必要なのでしょうか? 最適な温度や湿度は?

      【しいたけ】

      • 栽培期間:10月~5月
      • 収穫期間:10月~5月
      • 栽培適温:20~25℃

    シイタケ栽培の手引

    以下は、熊本県林業研究指導所発行の手引書からの引用です。

    4.胞子

    (1)形成温度
    ・ 多量に形成される温度は15°C~26°Cである。
    ・ ほとんど形成されない温度は0°C以下と34°C以上である。
    (2)発芽条件
    ・ 培養基上:培養液中では、適温の場合、よく発芽するが蒸留水中では発芽しない。
    ・ 氷中:2時間ではほとんど影響しないが24時間では50~60%くらい発芽率が落ちる。 ・ 低温:-17.7°Cに2時間おくと、乾燥状態では発芽が10~15%に落ちるが、培養液中では発芽しない。
    ・ 日光:乾燥状態で、直射日光にさらされた場合、10分間で発芽障害が起こり、3時間で発芽不能になる。
    ・ 高温:乾燥状態で80°Cで10分間、70°Cで4時間で死滅するが、60°Cでは5時間でも全く影響はない。

    • ・  水中温度:50°Cで30分、40°Cでは4時間で発芽不能、30°Cでは4時間後にも著しい発芽障害は起こらない。
    • ・  適温:18°Cで24時間以内に発芽するが、22°C~26°Cが適温とみなされる。

    5.菌糸

    (1)発育適温
    発育温度は 5°C~32°C、適温は 22°C~27°Cである。

    (2)水分
    原木の含水率(乾量基準)が 30%以下または 100%以上の場合は発育不能、最適含 水率は 53%~73%。

    (3)湿度
    ほだ木内の菌糸の発育は、空中湿度 70%前後が適当と考えられる。

    (4)PH:水素イオンの濃度
    3.8 以下、8 以上は発育不適、5 前後が適当である。

    (5)生存期間
    ・ 乾燥すると死滅する。
    ・ 寒天培養基に発育した菌糸は-5°Cで7週間。
    ・ のこくず培養基に発育した菌糸は、-5°Cで7週間。
    ・ ほだ木内の菌糸は-20°Cで10時間後でも発育に影響はない。

    6.子実体

    (1)発生条件
    温度:5°C~26°Cで発生。品種により異なる。 水分:菌糸の発育の場合より多く水分が必要で、含水率 (乾量基準)83%以上が適当。 光線:暗黒では発生しない。弱い光が必要である。

    (2)成長条件
    温度:適湿であれば、10°Cでは 7 日、17°Cでは 4~6 日で成熟する。 湿度:80~90%が適当。 光線:うす暗くても成長するが色や形が悪くなる。明るさが必要。

    ということなので、温度設定は22度一定で、湿度は70%ほどを狙います。照度は、部屋の明るさ程度の2000Luxでいいでしょう。12時間照明にしてみます。

    ITBOX-SHの設定

    温度 22度一定
    湿度 65%以上、75%以下
    照度     2,000Lux (7:00から19:00までの12時間照明)

    ITBOX-SHの新しいところ

    今までのITBOX-Sでは、Raspberry Pi Model3を使っていました。ようやくRaspberry Pi Zero HWが入手できたので、より小型のRaspberry Pi Zero WHを採用しました。これにより、従来のITBOXでは、アイティプランターの下のケース内に配置されていた制御回路がITBOXの背面に取り付けることができるようになり、よりコンパクトになりました。

    SIgnal Pin No
    SDA 3
    SCL 5
    1-Wire 7
    3.3V 1
    Dir 19
    PWM 20
    Moist 11
    • 大容量電源採用

    最大消費電力が増えたために、大容量電源を採用しました。12V30Aまで取れます。これ1つでITBOX-SM2台を稼働させることができます。

    ITBOX-Sは、養液タンクに水をいれて、ポンプで循環させておけば、庫内湿度は55%ほどになりますが、外部温度や空気中の水分量によっても変化します。湿度が高いほうが良さそうなので、今回は、実験的に加湿器を付けてみます。湿度が55%RH以下になったらONして、湿度が75%RH以上になったらOFFにします。どの程度の効果があるかは、実験してみることにします。

    超音波振動素子が、壊れるかもしれませんが、500円以下で替えるものなので、壊れたら取り替えることにします。価格は安いのですが、輸送に時間がかかり、なかなか届きません。多めに購入しておきましょう。

    制作過程

    20mm厚の断熱材にペルチェファンを通す穴を開けます。両面テープで、アルミシートを貼り付けます。

    アルミシートは、LED光源の拡散作用もあります。

    裏側から、ファンを入れる円型をくり抜きます。

    ペルチェユニットは、4cm四方をくり抜いた2mm厚のアクリル板にペルチェをはめ込み、2mm厚の銅板でサンドイッチして、CPUクーラーで挟み込んだ構造になっています。それぞれの面には導熱グリスが塗ってあります。

    ベニア板に11cm四方の穴を開けて、ペルチェファンを取り付けて、隙間をシリコンで埋めます。

    Raspberry Pi Zero WHにヘッダーピンを介してユニバーサル基板を差し込みます。基板には、I2C、1-Wire、Peltier制御、5V電源のソケットがあります。I2Cソケットには、温湿センサーのBME280、照度センサーのTSL2561が付きます。1-Wireには、DS18B20が付き、ペルチェ温度を測定します。USBには、OTG変換ケーブルを介して、アイティプランターと接続します。OTGなので、USBメモリーを付けても使えます。

    なお、Raspberry Pi Zero WHの GPIOは、SDカードが付いている側が1番、2番です。

    基板の取付は、背面のベニア板を加工して使います。

    スペーサーを介して、基板をネジ止めしていきます。主な基板は、Raspberry Pi Zero WHとペルチェドライバー(Cytron 13A 5-25V シングルDCモータコントローラ)です。

    Cytron 13A 5-25V シングルDCモータコントローラは、最大で13Aの電流を出力できます。

    今回の12Aペルチェを十分にコントロールできます。但し、この基盤についているネジのコネクターでは、12Aもの大電流が流れた場合に、接触抵抗で発熱することがあります。ネジ式コネクターは使わずに、配線ははんだ付けしてあります。

    側面の断熱材

    アイティプランターの背面には、ペルチェの付いた断熱材が付きます。他の三方と上下にも断熱材を取り付けます。どれも、断熱材にアルミシートを貼り付けて、ヒートシュリンクフィルムで覆います。正面部分には、小さな覗き穴を開けておきます。ヒートシュリンクフィルムが二重窓の役割を果たしてくれます。

    Raspberry Pi Mdel3とRaspberry Pi Zero WHの違い

    ソフトウエアは、ほぼ、互換性がありました。但し、nodeが互換性がなく入替えました。ここに詳しく書いてあります。Raspberry Pi Model3と比較すると、少し動作が遅い気がしますが、大きな支障はありません。

     

    正面写真

     

    背面写真

    12Vに接続するコネクターです。12Aもの電流が流れても大丈夫なコネクターになっています。赤色線がDC12Vで、白色線がGNDです。

    背面の写真です。温度センサーと照度センサーがつながっています・この温度センサーで内部温度を検出しています。アイティプランター内部に入れてください。テープで壁面に固定して構いません。センサーには表裏があります。小さな部品が付いている方が表になります。照度は、照度センサーの取り付け位置で変化します。照度を測定したい場所に取り付けてください。温度も、温度センサーの位置で変化します。温度を測定したい場所に取り付けてください。通常は、壁面中央に取り付けておけばいいでしょう。なお、センサーが水に浸かったりすることがないようにご注意ください。

    アイティプランターの電源は常に接続しておいてください。また、USBケーブルは、アイティプランターをコントロールするのに必要です。常に接続しておいてください。

    ポンプのケーブルは、ポンプ動作が不要な場合には外しておきます。植物栽培で水やりが必要な場合には、ポンプケーブルをアイティプランターのコネクターに接続してください。

    Raspberry Pi Zero WHからは、micro B端子USBとminiHDMI端子がでています。USB端子にマウスとキーボード、min iHDMI端子にディスプレィを接続すると、デスクトップ画面になり、普通のLinux PCのように使うことができます。

    2018年2月4日現在、まだ、超音波加湿器は届いていません。。。

    2月6日に、超音波加湿器が届きました。結構な勢いで、蒸気が出ます。PWMでコントロールして、湿度制御ができないか試してみました。作成した回路は次のとおりです。電源が12Vを使っているので、DCDCコンバータで5Vを作っています。超音波加湿器の消費電流が800mAなので、1A出力可能な三端子レギュレターを使っています。

    DRV777というICでもドライブできますが、3.3V->5V変換が必要なので面倒です。TBD620003Aなら、入力3.3Vで駆動できます。

    取り敢えず、PWM 20%で試してみました。

    見る見るうちに、湿度が高くなっていきます。上手く行けそうな気がしてきました。ところが、湿度85%RHを超えたところで、急に湿度が0%RHになりました。

    どうやら、BME280センサーが壊れたみたいです。仕様では、100%RHまで測定できるはずなのですが、どうしたことでしょうか?

    アイティプランターの内部は狭いので、加湿器が少し動くだけで、湿気だらけになってしまうようです。BME280の空気取込口に水蒸気が入り込んでショートした可能性があります。加湿には、超音波加湿器を使うのではなく、アイティプランターの養液タンクに水を張って、蒸発に任せるほうが良さそうです。

    もっと、厳密に湿度制御できるまで、超音波加湿器による加湿制御は保留にします。

    壊れたBME280を取り替えて修理しました。別にテスト装置を作成して、湿度制御ができるかどうか見てみました。詳細は、こちらにあります。結論から言うと、湿度制御は非常に難しいです。超音波加湿器を動かすと、急激に湿度が上がって、その後、なかなか湿度が低くなりません。アイティプランターの中に加湿器を入れるよりも、養液タンクに薄く水を張っておくほうがいいでしょう。

    WiFi接続方法

    WiFiルーターに接続する方法は、他のITBOXと同じですが、手順を書いておきます。

    FirefoxやGoogle Chromeなどのモダンなブラウザを使います。IEは使わないほうがよいでしょう。

    http://itbox-s.local にアクセスします。

    最初の行にある、https://itbox-s.local:8091  をクリックします。

    パスワードを入力して、Let’s Coderをクリックします。画面が切り替わるまで、少し時間がかかります。

    通常は、Moniteringを使って、温度制御状況を確認します。

    グラフが表示されるまで、少し時間がかかります。他のアプリの使用方法は、こちらを御覧ください。