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New ITBOX-S

ITBOXは、単なる植物インキュベータではありません。植物インキュベータにデータロガーの機能が付加されたものです。温度、湿度、気圧、照度の自動計測を始め、I2Cセンサーの追加も容易です。カメラの自動撮影にも対応しています。

ITBOX-Sがリニューアルしました。ITBOX-Sは、室内栽培装置アイティプランターに温度制御機能とデータロガー機能を付加した、低価格で、高性能なインキュベータです。

インターネットを介して、すべての操作やデータのモニタリングが可能です。

改良点は、以下の通りです。

  1. ペルチェユニットの改良で冷却能力向上
  2. Raspberry Pi zero
  3. W採用で小型化24時間を超える温度調整設定が可能

重要な温度調整ペルチェユニットに、大型で静かな冷却ファンを搭載しました。また、小さなRaspberry Pi Zero Wを採用して、制御回路を背面に取り付けられるようになりました。

Raspberry Piへのアクセスもよくなり、USBの接続や取り外しが簡単です。

庫内も広く使えます。センサーも測定したい場所に移動できます。

1日24時間を超えて、温度変更時間が設定できます。最大設定時間は、4085年と、事実上、無制限になりました。

この機能により、22度設定を30時間、35度設定を40時間継続して、繰り返すようなことができます。

各種機能のカスタマイズやアプリのカスタマイズも承ります。

性能向上のために、仕様や価格は、予告なく変動する場合があります。ご了承下さい。

お求めは、ここから。

http://itplants.theshop.jp

事前に、栽培品目(植物? 藻? ミドリムシ?)、栽培方法(水耕栽培、試験管培養、シャーレ、フラスコ栽培、土耕栽培など)と必要な栽培温度、温度サイクル、照度などお知らせ下さい。対応できるようにカスタマイズをご提案させて頂きます。

お問い合わせは、ここからお願いいたします。

    植物育成温度調整キットについてのお問い合わせにご利用ください。

    チェックを有効にして送信してください。

    温度調整性能

    ペルチェから出た空気の温度を測定して、ペルチェへの入力をコントロールします。ボックス内の温度は僅かに分布するので、温度センサーの取り付け位置で、目的の場所の温度をコントロールできます。

    ペルチェに入力する電源の極性を変えることで、ペルチェで冷却したり、ペルチェで暖房したりできます。最大電力でペルチェで暖房した場合には、ペルチェ素子が100度になるまで温度が上昇します。最大電力でペルチェで冷却した場合には、ペルチェ素子が凍結するほど冷えます。ペルチェ素子の温度が高すぎたり、凍結していたりすると故障の原因になります。そこで、ペルチェ素子に、DS18B20を貼り付けて、温度を測定しています。DS18B20は、1-Wire型のセンサーで、簡単に複数のDS18B20を使うことができます。ただし、1-Wireの応答は遅く、高速な計測には向いていません。

    また、温度設定値も細かく設定する方が、安定して滑らかにボックス内の温度をコントロールできます。下図は、18度から15度に冷やした場合の温度変化の一例です。急激に冷やしたりすると、PIDパラメータの値によっては、細かな振動が発生して、温度が安定しなくなります。

    PIDの値を調整して、分刻みで目標温度を設定すると、下図のようになり、温度が安定します。

    設定した目標温度とも一致します。ペルチェえの投入パワー変動も少なくなり、省エネになります。

    また、PIDのゲインを高めても、振動しなくなります。ペルチェの駆動には、MD13S DCブラシモータードライバー 30V 13A PWM信号入力制御を使っています。エレファインで購入できます。13Aまで出力できるので、6Aのペルチェを2基、駆動できます。RaspberryPiからのPWM信号を使っています。

     

     

     

     

    ペルチェ凍結防止対策

    最大パワーでペルチェを冷却し続けると、ついには、ペルチェが凍結します。ペルチェが凍結すると、それ以上は温度が下がらなくなるばかりでなく、冷却ファンも止まってしまい、故障の原因になります。

    ペルチェが凍結する前には、ペルチェに取り付けた温度センサーが氷点下比較になります。そこで、ペルチェが最大パワーで冷却していて、ペルチェ温度が5度以下になった場合には、25分毎に1分間だけペルチェを温めて、解凍処理をするようにしました。

    すると、解凍処理が実行される度に、温度が僅かに上昇するようになります。温度変化が生じました、凍結は回避できました。しかし、ペルチェが凍結しないようにする方が、より望ましいと言えます。ペルチェが凍結するのは、放熱ファンの能力が、ペルチェの冷却能力に追いついていないからです。放熱ファンを大型なものにすれば、ペルチェの凍結も防げるかもしれません。そこで、ペルチェの放熱ファンをCPUクーラーに取り替えました。

    すると、ボックス温度13度設定でも、ペルチェは凍結せず、ペルチェ温度も10度以上を保持できるようになりました。

    解凍処理も、実行されることはなくなり、ボックス内温度が安定するようになりました。また、設定温度を線形補間して、分刻みに目標温度を与えたところ、温度変化時の振動もしなくなりました。

    ペルチェの機能は、温調ボックス内の熱をボックス外に移動させるだけです。ボックス外の部屋の温度が高いと、放熱ができず、逆に、部屋の熱がボックス内に逆流する可能性もあります。ボックス内を低温にしたい場合には、温調ボックスを涼しい部屋に設置するとよいでしょう。ボックス内を低温にする場合には、冬場は、暖房をしていない部屋、夏場は冷房が効いている部屋が適しています。

     

     

    ITBOX-SH

    アイティプランターに取り付けるITBOX-Sの新型を開発しました。ユーザー様のご要望は、「しいたけの通年栽培」とのことでした。

    果たして、しいたけ栽培に光は必要なのでしょうか? 最適な温度や湿度は?

      【しいたけ】

      • 栽培期間:10月~5月
      • 収穫期間:10月~5月
      • 栽培適温:20~25℃

    シイタケ栽培の手引

    以下は、熊本県林業研究指導所発行の手引書からの引用です。

    4.胞子

    (1)形成温度
    ・ 多量に形成される温度は15°C~26°Cである。
    ・ ほとんど形成されない温度は0°C以下と34°C以上である。
    (2)発芽条件
    ・ 培養基上:培養液中では、適温の場合、よく発芽するが蒸留水中では発芽しない。
    ・ 氷中:2時間ではほとんど影響しないが24時間では50~60%くらい発芽率が落ちる。 ・ 低温:-17.7°Cに2時間おくと、乾燥状態では発芽が10~15%に落ちるが、培養液中では発芽しない。
    ・ 日光:乾燥状態で、直射日光にさらされた場合、10分間で発芽障害が起こり、3時間で発芽不能になる。
    ・ 高温:乾燥状態で80°Cで10分間、70°Cで4時間で死滅するが、60°Cでは5時間でも全く影響はない。

    • ・  水中温度:50°Cで30分、40°Cでは4時間で発芽不能、30°Cでは4時間後にも著しい発芽障害は起こらない。
    • ・  適温:18°Cで24時間以内に発芽するが、22°C~26°Cが適温とみなされる。

    5.菌糸

    (1)発育適温
    発育温度は 5°C~32°C、適温は 22°C~27°Cである。

    (2)水分
    原木の含水率(乾量基準)が 30%以下または 100%以上の場合は発育不能、最適含 水率は 53%~73%。

    (3)湿度
    ほだ木内の菌糸の発育は、空中湿度 70%前後が適当と考えられる。

    (4)PH:水素イオンの濃度
    3.8 以下、8 以上は発育不適、5 前後が適当である。

    (5)生存期間
    ・ 乾燥すると死滅する。
    ・ 寒天培養基に発育した菌糸は-5°Cで7週間。
    ・ のこくず培養基に発育した菌糸は、-5°Cで7週間。
    ・ ほだ木内の菌糸は-20°Cで10時間後でも発育に影響はない。

    6.子実体

    (1)発生条件
    温度:5°C~26°Cで発生。品種により異なる。 水分:菌糸の発育の場合より多く水分が必要で、含水率 (乾量基準)83%以上が適当。 光線:暗黒では発生しない。弱い光が必要である。

    (2)成長条件
    温度:適湿であれば、10°Cでは 7 日、17°Cでは 4~6 日で成熟する。 湿度:80~90%が適当。 光線:うす暗くても成長するが色や形が悪くなる。明るさが必要。

    ということなので、温度設定は22度一定で、湿度は70%ほどを狙います。照度は、部屋の明るさ程度の2000Luxでいいでしょう。12時間照明にしてみます。

    ITBOX-SHの設定

    温度 22度一定
    湿度 65%以上、75%以下
    照度     2,000Lux (7:00から19:00までの12時間照明)

    ITBOX-SHの新しいところ

    今までのITBOX-Sでは、Raspberry Pi Model3を使っていました。ようやくRaspberry Pi Zero HWが入手できたので、より小型のRaspberry Pi Zero WHを採用しました。これにより、従来のITBOXでは、アイティプランターの下のケース内に配置されていた制御回路がITBOXの背面に取り付けることができるようになり、よりコンパクトになりました。

    SIgnal Pin No
    SDA 3
    SCL 5
    1-Wire 7
    3.3V 1
    Dir 19
    PWM 20
    Moist 11
    • 大容量電源採用

    最大消費電力が増えたために、大容量電源を採用しました。12V30Aまで取れます。これ1つでITBOX-SM2台を稼働させることができます。

    ITBOX-Sは、養液タンクに水をいれて、ポンプで循環させておけば、庫内湿度は55%ほどになりますが、外部温度や空気中の水分量によっても変化します。湿度が高いほうが良さそうなので、今回は、実験的に加湿器を付けてみます。湿度が55%RH以下になったらONして、湿度が75%RH以上になったらOFFにします。どの程度の効果があるかは、実験してみることにします。

    超音波振動素子が、壊れるかもしれませんが、500円以下で替えるものなので、壊れたら取り替えることにします。価格は安いのですが、輸送に時間がかかり、なかなか届きません。多めに購入しておきましょう。

    制作過程

    20mm厚の断熱材にペルチェファンを通す穴を開けます。両面テープで、アルミシートを貼り付けます。

    アルミシートは、LED光源の拡散作用もあります。

    裏側から、ファンを入れる円型をくり抜きます。

    ペルチェユニットは、4cm四方をくり抜いた2mm厚のアクリル板にペルチェをはめ込み、2mm厚の銅板でサンドイッチして、CPUクーラーで挟み込んだ構造になっています。それぞれの面には導熱グリスが塗ってあります。

    ベニア板に11cm四方の穴を開けて、ペルチェファンを取り付けて、隙間をシリコンで埋めます。

    Raspberry Pi Zero WHにヘッダーピンを介してユニバーサル基板を差し込みます。基板には、I2C、1-Wire、Peltier制御、5V電源のソケットがあります。I2Cソケットには、温湿センサーのBME280、照度センサーのTSL2561が付きます。1-Wireには、DS18B20が付き、ペルチェ温度を測定します。USBには、OTG変換ケーブルを介して、アイティプランターと接続します。OTGなので、USBメモリーを付けても使えます。

    なお、Raspberry Pi Zero WHの GPIOは、SDカードが付いている側が1番、2番です。

    基板の取付は、背面のベニア板を加工して使います。

    スペーサーを介して、基板をネジ止めしていきます。主な基板は、Raspberry Pi Zero WHとペルチェドライバー(Cytron 13A 5-25V シングルDCモータコントローラ)です。

    Cytron 13A 5-25V シングルDCモータコントローラは、最大で13Aの電流を出力できます。

    今回の12Aペルチェを十分にコントロールできます。但し、この基盤についているネジのコネクターでは、12Aもの大電流が流れた場合に、接触抵抗で発熱することがあります。ネジ式コネクターは使わずに、配線ははんだ付けしてあります。

    側面の断熱材

    アイティプランターの背面には、ペルチェの付いた断熱材が付きます。他の三方と上下にも断熱材を取り付けます。どれも、断熱材にアルミシートを貼り付けて、ヒートシュリンクフィルムで覆います。正面部分には、小さな覗き穴を開けておきます。ヒートシュリンクフィルムが二重窓の役割を果たしてくれます。

    Raspberry Pi Mdel3とRaspberry Pi Zero WHの違い

    ソフトウエアは、ほぼ、互換性がありました。但し、nodeが互換性がなく入替えました。ここに詳しく書いてあります。Raspberry Pi Model3と比較すると、少し動作が遅い気がしますが、大きな支障はありません。

     

    正面写真

     

    背面写真

    12Vに接続するコネクターです。12Aもの電流が流れても大丈夫なコネクターになっています。赤色線がDC12Vで、白色線がGNDです。

    背面の写真です。温度センサーと照度センサーがつながっています・この温度センサーで内部温度を検出しています。アイティプランター内部に入れてください。テープで壁面に固定して構いません。センサーには表裏があります。小さな部品が付いている方が表になります。照度は、照度センサーの取り付け位置で変化します。照度を測定したい場所に取り付けてください。温度も、温度センサーの位置で変化します。温度を測定したい場所に取り付けてください。通常は、壁面中央に取り付けておけばいいでしょう。なお、センサーが水に浸かったりすることがないようにご注意ください。

    アイティプランターの電源は常に接続しておいてください。また、USBケーブルは、アイティプランターをコントロールするのに必要です。常に接続しておいてください。

    ポンプのケーブルは、ポンプ動作が不要な場合には外しておきます。植物栽培で水やりが必要な場合には、ポンプケーブルをアイティプランターのコネクターに接続してください。

    Raspberry Pi Zero WHからは、micro B端子USBとminiHDMI端子がでています。USB端子にマウスとキーボード、min iHDMI端子にディスプレィを接続すると、デスクトップ画面になり、普通のLinux PCのように使うことができます。

    2018年2月4日現在、まだ、超音波加湿器は届いていません。。。

    2月6日に、超音波加湿器が届きました。結構な勢いで、蒸気が出ます。PWMでコントロールして、湿度制御ができないか試してみました。作成した回路は次のとおりです。電源が12Vを使っているので、DCDCコンバータで5Vを作っています。超音波加湿器の消費電流が800mAなので、1A出力可能な三端子レギュレターを使っています。

    DRV777というICでもドライブできますが、3.3V->5V変換が必要なので面倒です。TBD620003Aなら、入力3.3Vで駆動できます。

    取り敢えず、PWM 20%で試してみました。

    見る見るうちに、湿度が高くなっていきます。上手く行けそうな気がしてきました。ところが、湿度85%RHを超えたところで、急に湿度が0%RHになりました。

    どうやら、BME280センサーが壊れたみたいです。仕様では、100%RHまで測定できるはずなのですが、どうしたことでしょうか?

    アイティプランターの内部は狭いので、加湿器が少し動くだけで、湿気だらけになってしまうようです。BME280の空気取込口に水蒸気が入り込んでショートした可能性があります。加湿には、超音波加湿器を使うのではなく、アイティプランターの養液タンクに水を張って、蒸発に任せるほうが良さそうです。

    もっと、厳密に湿度制御できるまで、超音波加湿器による加湿制御は保留にします。

    壊れたBME280を取り替えて修理しました。別にテスト装置を作成して、湿度制御ができるかどうか見てみました。詳細は、こちらにあります。結論から言うと、湿度制御は非常に難しいです。超音波加湿器を動かすと、急激に湿度が上がって、その後、なかなか湿度が低くなりません。アイティプランターの中に加湿器を入れるよりも、養液タンクに薄く水を張っておくほうがいいでしょう。

    WiFi接続方法

    WiFiルーターに接続する方法は、他のITBOXと同じですが、手順を書いておきます。

    FirefoxやGoogle Chromeなどのモダンなブラウザを使います。IEは使わないほうがよいでしょう。

    http://itbox-s.local にアクセスします。

    最初の行にある、https://itbox-s.local:8091  をクリックします。

    パスワードを入力して、Let’s Coderをクリックします。画面が切り替わるまで、少し時間がかかります。

    通常は、Moniteringを使って、温度制御状況を確認します。

    グラフが表示されるまで、少し時間がかかります。他のアプリの使用方法は、こちらを御覧ください。