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ITBOX-S

試験管培養では、気流の制御も必要なく、狭いスペースを一定温度に保っておくだけで十分でしょう。そこで、アイティプランターの栽培スペースを断熱材で囲って、ペルチェで温度制御できるようにしてみました。アイティプランターのLEDからの発熱が断熱材で囲まれた空間に入ってこないように、断熱フィルムを入れました。

断熱材とペルチェユニット、ペルチェドライバと制御CPU、温度センサだけで実現できるので、非常に低価格です。

LEDライトの光が当たるので、光合成機能が活性化するはずです。順化も早いことでしょう。

断熱材の表面には壁紙を貼りました。外光が入らないようにしているので、中の様子は見えません。一度、培養を開始すると、1、2ヶ月は扉を開かないので、これで十分でしょう。

簡易温度調整キット外観
内部写真

正面の断熱材を取った状態の写真です。試験管50本が入る試験管立てが2セット入っています。合計100本の試験管培養ができます。背面の大型ファンは、結露や凍結の防止になります。静音ファン採用で、非常に静かです。

簡易温度調整キット背面
温度調整電子回路

現在、コントローラーにはRaspberryPi3を使っています。RaspberryPi3ならば、ブラウザからアイティプランターの制御や温度のモニタリングができます。温度制御と温度のモニタリングだけならば、より安価なESP8266などが使えます。しかし、差額は5,000円ほどなので、高機能なRaspberryPi3をお勧めいたします。

温度制御例

上のグラフは、2月21日20時から22日12時までの温度と湿度の変化の記録です。オレンジ色が温度です。夜間(12:00-6:00)は15度の設定です。その後、30分に1度づつ上昇させて、22度で一定に達します。10:00頃に、大きな温度変化があるのは、正面扉を開いたからです。扉を閉めると、速やかに設定温度に戻ることがわかります。

2月22日23時から23日7時までの温度変化では、温度センサーの測定精度(±0.5度)の範囲内に収まっています。

本装置は、試験管立てを栽培トレイに変えれば、普通の水耕栽培装置として使えるので、順化栽培にも使えます。

アイティプランター別売の簡易温度調整キットと、アイティプランター付きの完成品の2種類を用意いたします。完成品は、1年間の保証付きになります。ソフトウエアは、温度調整キットのものと同じです。

簡易温度調整キット(ITB-K01) 販売予定価格  48,500円(税別、送料別)

簡易温度調整完成品(ITB-K01-F) 販売予定価格  65,500円(税別、送料別)

改良点

長期間、使用しているとペルチェ素子付近に結露水が溜まることがありました。

ちょうど、ペルチェ素子と断熱材の間に水たまりができていました。そこで、排水のためのドレインチューブを付けてみました。

断熱材にドレーンチューブを入れる溝を掘って、チューブをホットメルトで接着しました。

背面から排水します。

排水口のドレーンチューブは、コップなどで排水を受けるようにします。