ITBOXの選び方

ITBOXにバリエーションが増えてきました。どれを選択すべきか迷ってしまうかもしれません。ITBOXの選び方について述べていきます。

先ず、予算が優先か、機能が優先かで考えてみましょう。

予算優先の場合

予算が10万円以下の場合、ITBOX-Sが選択候補になります。ITBOX-Sならば、温度制御が可能です。

ITBOX-S 温度制御のみ ¥ 79,800

ITBOX-Sならば、温度と湿度の制御が可能です。組み立てキットならば、¥10,000引きの ¥69,800です。ハンダ付けや配線などが必要になります。また、LinuxやRaspberry Piの知識が必要になります。

機能優先の場合

  • 湿度制御:

ITBOX-Sに湿度制御を追加できます。

ITBOX-S-H 温度湿度制御 ¥ 125,000

  • 栽培面積:広い栽培面積が必要な場合には、ITBOX-Lが選択候補になります。
  • 光量:より強い光が必要な場合には、ITBOX-Lが選択候補になります。

オプションの選択

  • LED冷却ファンの追加:約3度、温度を下げることができます。
  • カメラ撮影が必要な場合には、可視光カメラや赤外線カメラを選べます。
  • O2、CO2など各種ガスセンサの搭載も可能です。
  • 栽培条件や温度サイクルなどが特殊な場合には、アプリ開発により対応いたします。簡単な条件ならば、無償で対応可能です。
  • 社内ネットワークや学内ネットワークに接続できない場合には、スタンドアローンで動作するITBOXも提供可能です。

購入方法

標準品のITBOX-Sは、ネット通販で購入できます。

http://itplants.theshop.jp

企業や大学機関の場合には、納品時に請求書を発行いたします。銀行振込で入金してください。

オプションや追加機能が必要な場合には、別途、見積もりをいたしますので、お問い合わせください。

お問い合わせ時には、可能ならば、どのような用途に利用する計画なのかお聞かせください。最適なご提案をさせて頂きます。

    植物育成温度調整キットについてのお問い合わせにご利用ください。

    チェックを有効にして送信してください。

    アクセスポイントへの接続方法

    本キットでは、コントローラーにRaspberryPiを利用しています。

    RaspberryPiには、イーサーネットケーブルのコネクタとWiFi通信機能があります。イーサーネットケーブルのコネクタに、有線インターネットを接続すれば、DHCPにより簡単にインターネット接続ができます。

    WiFi接続は、ケーブルが不要なので便利です。WiFiアクセスポイントへの接続は、RaspberryPi3の設定で行います。

    本キットを組立後、電源を入れるとシステムが動作します。デフォルトでは、RaspberryPi3はhostapdが起動しています。パソコンやスマホの WiFi をraspberrypiのアクセスポイントに切り替えます。予め、WiFiのSSIDやパスワードをご連絡頂ければ、セットしておきます。電源を入れるだけで、WiFiに接続できるので、便利です。

    メニューにある、setWiFiを起動して、SSIDとパスワードを入力します。設定ボタンを押すと、自動的に再起動して、設定したSSIDのアクセスポイントからアクセスできるようになります。

    イーサーケーブル で直結する方法

    社内LANのセキュリティなどの理由で、ITBOXをWiFi接続できない場合があるかもしれません。そんな場合には、イーサーケーブルでITBOXとPCを直結して使うことができます。

    ストレートのイーサーケーブルでつなぎます。WInodws PCの場合には、名前解決のためにBonjourが必要です。Winodws 10の最新版では、mDNSがサポートされたのでBonjourは不要ですが、デフォルトがIP v6に設定されているので、IP v4に変更する必要があります。

    詳しくは、ここを参照してください。Bridge接続を設定すれば、PCのネットワークがITBOXから参照できるようになります。

    もし、上手く接続できない場合には、ネットワーク接続で、IP v6のチェックを外してみてください。

     

     

     

    ブラウザからの利用方法

    本キットの WiFiアクセスポイント設定の後 、ブラウザからRaspberryPi3にアクセスするとメニューが表示されます。

    coderタグをクリックするとアプリが使える画面になります。

    このアプリは、前身のiTelepassに温度制御アプリを追加したものです。基本構成は、iTelepassのホームページをご覧ください。iTelepassのCPUはIntel Edisonなので、RaspberryPi3とは異なりますが、アプリは同じです。まずは、iTelepassの説明をよく読んでください。

    ITBOX App 説明

    コンソールアプリ

    /home/pi/src/ITBOX   にソフトウエアが入っています。tempController.js

    ペルチェによる温度制御を行うアプリです。start.shで実行できます。デフォルトでは、systemdで自動起動されます。停止したい時は、sudo systemctl stop tempControllerとしてください。停止するまでに少し時間がかかります。 このアプリは多機能です。内部で、以下のセンサー情報を取得しています。 https://raspberrypi2.local:8091/app/servercheck からコントロールできます。

    setTemp.sh

    tempControllerに、設定温度を知らせます。具体的には、home/coder/coder-dist/coder-base/config/saveTempController.txtに、targetTemp 20.0のようにファイルに書くと反映されます。 https://raspberrypi2.local:8091/app/tempcontroller から温度設定できます。

    BME280.py

    温度、湿度、気圧を測定するセンサーです。ボックス内の温度を測定しています。また、気圧から絶対湿度や露点を計算します。 BME280.pyが動作するには、sudo pigpiod を実行してください。 https://raspberrypi2.local:8091/app/bme280 からセンサー情報を見ることができます。

    DS18B20.py

    ペルチェ表面付近の温度を測定する1-Wire型の温度センサーです。1-Wireは応答に時間がかかります。 https://raspberrypi2.local:8091/app/ds18b20 からセンサー情報を見ることができます。

    TSL2561.py

    照度を測定します。TSL2561.pyの中で実行しているquick2wire-python-api/TSL2561.example.pyを実行すれば、さらに詳しい情報が出てきます。 https://raspberrypi2.local:8091/app/tsl2561 からセンサー情報を見ることができます。

    peltierCtl.py

    ペルチェ制御を行います。peltierCtl.py PWM-Power Dir です。PWM-Powerは、0から1000までの整数で、Dirは0なら冷却、1なら暖房になります。 tempControllerが内部で利用しています。設定したままで忘れたりすると高温になったり、凍結したりして危険なのでブラウザからは使えません。


    Coder アプリ

    基本的には、itelepassと同じです。itelepass02がIntel Edisonを使っていたのに対して、ITBOXではRaspberryPi3を使っています。 アイティプランター1台に対するコントロールだけを行います。

    TempController

    https://raspberrypi2.local:8091/app/tempcontroller
    ITBOXの温度スケジュールの設定を行います。現在の温度から急激に冷やすとペルチェが凍結することがあります。ペルチェが凍結すると冷却ファンが回らなくなり、故障の原因になります。そこで、過冷却が25分続くと、1分間、温めて解凍を行なっています。 解凍処理の間は、温度が上昇します。室温によっては、設定温度到達までに時間がかかります。

    tempSchedule

    https://raspberrypi2.local:8091/app/tempschedule
    ITBOXの温度設定を行います。センサー情報が表示されます。現在の温度から急激に冷やすとペルチェが凍結することがあります。 ペルチェが凍結すると冷却ファンが回らなくなり、故障の原因になります。そこで、過冷却が25分続くと、1分間、温めて解凍を行なっています。 解凍処理の間は、温度が上昇します。早く設定温度にするには、保冷パックをアイティプランターの養液にに入れて、予冷して設定温度に近づけてください。 30分毎に温度設定を行い、補間ボタンを押すと、数分毎に補間されます。

    monitoring

    https://raspberrypi2.local:8091/app/monitor
    ITBOXのセンサー情報を時系列グラフで表示します。温度と湿度、PWM(ペルチェのパワー)とペルチェ温度、絶対湿度と露点、ペルチェ温度と露点がグラフ表示されます。データが多くなるために、1時間毎に、ファイルに書き出されます。

    BOXstatus

    https://raspberrypi2.local:8091/app/boxstatus
    ITBOXの現在の状態を表示します。

    serverChack

    ITBOXで常時、起動して動作しているデーモンアプリを表示します。起動していない場合には、restartボタンを押してください。


    ITBOXの扉を開くと、内部温度が急激に変化するのでご注意ください。
    60cmBOXにはオプションでプラズマクラスターが搭載できます。 40cmBOXはスペースが無いのでプラズマクラスターは入りません。
    ITBOXからアイティプランターを取り出すときには、後部のヒートパイプ冷却ファンの固定ネジを外して、ヒートパイプの固定をなくしてください。
    アイティプランターの下部のアクリルケースに電子回路が入っています。RaspberryPIのUSBを使う場合などは、アクリルケースをひっくり返してください。配線が多いので、線を切らないようにご注意ください。


    PID設定方法

    tempControllerの動作中でも、PIDパラメータを変更できます。


    https://raspberrypi2.local:8091/app/pidsetting

    saveTempController.txtに、
    setPID Kp 0.1 Ki 0.01 Kd K_d 0.01
    のように、PIDのパラメータを書き込みます。tempScheduleを実行するとsetPIDは消えます。 PIDの最適値が決まったら、/home/pi/src/ITBOX/start.sh を書き換えて、
    sudo /home/pi/src/ITBOX/tempController.js $1 -kp P値 -Ki I値 -Kd D値 とすれば反映されます。
    sudo systemctl restart tempController
    で温度コントローラが再起動します。

    shell

    sshでログインできる以外にも、shellアプリでコンソール画面が開けます。Open Terminalのタグをクリックすれば、新しいコンソール画面が開いていきます。root権限で開きますので、入力は慎重に行ってください。su piと打って、piで操作するのが安全です。

    株式会社アイティプランツ  2016/12

    お問合せ先
    support@itplants.com
    TEL 080-3835-0260 (担当 坂口)

    プロテクトガード

    ITBOXの背面は、ファンや電子回路がむき出しです。ちょっとした実験のアクセスは良いのですが、うっかり、ファンに指を入れたり、何かにぶっつけたりすると故障の原因となります。

    そこで、プロテクトガードを試作して見ました。アルミパンチングメタル では、重量が重すぎるので、複合素材を使って見ました。

    見た目は、すっきりとしました。

    ファンと電子回路を覆っています。

    横から見ると、ちょっと後ろに突き出しすぎですね。

    今回は、メタルロックという金属用の接着剤で作ってみました。板を曲げることなく、L字アングルで接続しています。軽くて、丈夫なものができました。

    ITBOXのオプションが増えました。

     

    ITBOX-SW

    新製品の登場です。

    ダブルペルチェで強力に温度管理できるITBOX-S-Wを開発しました。ITBOX-Sは、アイティプランターを断熱材で覆い、ペルチェで温度制御ができるようにしたものです。植物栽培の他に、試験管培養ができます。コストパフォーマンスは、非常に高いものになっています。

    従来のITBOX-Sは、ペルチェ素子が1基搭載されたものでした。12V8Aのペルチェ素子1基では、夏場の室温28度以上では、庫内温度20度一定をキープすることが困難でした。そこで、室温が28度であっても、庫内温度20度をキープできるように、ITBOX-SWでは、ペルチェ素子を2基搭載しました。パワーに余裕があります。

    ペルチェ素子は、2つのCPU冷却ファンでサンドイッチにしてあります。ヒートパイプのCPU冷却ファンは、強力に冷却できるので、ファンの凍結はなくなりました。

    12V6Aのペルチェ素子が2基で、最大12V×6A×2=144Wになります。RaspberryPiにDVIでディスプレィやマウス、キーボード、スピーカー等を接続して使うこともできます。

    WiFiにつないで、様々な端末からブラウザで操作できます。

    センサー情報は、自動収集され、蓄積されていきます。アプリは、全て、ソースコード付きなので、自由に改良、変更が可能です。ソースコードは、Web側は、html, JavaScript、サーバー側は、node, pythonで書かれています。

    他にも、

    1.PID動作の高速化

    sampling time 10sec ->  500msec に高速化

    2.PIDパラメータの最適化

    過渡応答法によるパラメータ設定

    3.ペルチェエンジン部改良

    ペルチェのファンの間に3mm厚銅板を挿入し、導熱グリスで三重構造にして熱効率を向上

    4.CPU配線改良

    RaspberryPi用のユニバーサル基板を使って、配線を簡素化しています。

    5.電源変更

    スィッチング電源からACアダプターに変更を行い、一段と使い勝手と性能が向上しました。

    庫内には、試験管が100本入ります。温度を一定にしての、藻類の培養に適しています。

    外光が入らないようになっています。LED光源の光だけで培養します。

    正面の扉の開け方は、扉の下側を手前に引出します。閉めるときは、扉の上側をアイティプランターに差し込んで、扉の下側を押し入れます。

    PID制御パラメータは、過渡応答法に準じて設定しています。過渡応答法の特性上、急激な温度変化の場合には、若干のオーバーシュートが発生します。

    また、PID制御の動作も、従来の10sec間隔から500msec間隔にして、温度変化の追従性を高めています。

    他にも、ペルチェ素子と冷却ファンの間に、3mm厚の銅板を入れ、導熱グリスで三重構造にして熱効率を向上しています。

    ITBOXは、温度一定はもちろんのこと、連続的に温度を変更する温度サイクルを設定することもできます。

    お問い合わせは、ここからお願いします。

    ITBOX-WF

    さらに強力なペルチェユニットを検討しました。ファンとラジエターが2つ搭載されたものです。ファンも静かでよく冷えます。

    信頼性を確認して、今後のITBOXに採用する予定です。

    断熱箱での実験では、−15℃まで冷やすことができました。

    この時の冷却側と放熱側の温度差は35℃あります。室温は20℃です。

    放熱側の温度は約24℃です。 

    冷却側のファンが凍結しそうなくらいによく冷えます。ITBOXに取付けました。

     

    背面は、少し大きめになりました。M4ネジ2本でしっかりと固定されています。

    ファンの音も静かです。

    1日の温度の変動(20度一定に設定)

    日中、エアコンを入れているので、多少の温度変動が見られます。

    1日のペルチェ供給パワーの変動

    ペルチェのパワーには余裕があり50%未満で運転されています。

     

     

    現在、このペルチェユニットは2基あります。ITBOX-Sなら2台、ITBOX-Lなら1台、納品可能です。

    お問合せは、こちらからお願い致します。

      植物育成温度調整キットについてのお問い合わせにご利用ください。

      チェックを有効にして送信してください。

      1日を超える温度制御

      通常、植物栽培の温度制御は、1日、24時間周期ですが、中には、24時間を超える温度制御を希望されることがあります。例えば、22度で22時間、37度で37時間とかです。異常な温度と温度周期で、どのような遺伝子が活性化されるのか実験できます。ITBOXやアイティプランターでは、24時間周期を想定していました。24時間を超える制御ができませんでした(といううか、通常の栽培では、必要性がありませんでした)。

      そこで、 longPeriodScheduleというアプリを作りました。基本的には、tempScheduleの設定値を書き換えるものです。ITBOXのアプリは、設定ファイルを監視していて、設定ファイルの内容が書き換えられた時に、動作を変更します。なので、設定ファイルの書き換えを行えばいい訳です。 longPeriodScheduleは、この動作をするアプリです。

      設定画面です。アプリ名は、longPeriodScheduleです。設定時間は、設定温度の継続時間です。設定温度は、温度設定値です。

      設定ボタンを押した時点で、 tempSchduleの設定値が変更されます。その仕組は、設定ファイルに従って、最初の設定温度を tempScheduleの設定ファイルに書込ます。次以降の設定温度は、 設定時間待ちしてから、同様に、tempScheduleの設定ファイルに書込ます。

      事実上、どんな長さの温度周期も実現できます。

       

       

       

      アップデート

      ITBOXのアプリのアップテート

      githubにコードがあります。

      /home/pi/src/ITBOXの内容

      https://github.com/itplants/ITBOX

      /home/coder/coder-distの内容

      https://github.com/itplants/coder

      /home/pi/Nodeの内容

      https://github.com/itplants/Node

       

      随時、アップデータを追加しています。

      http://download.itplants.com/dl/ITBOX/

      アップデートファイルをダウンロードして、ITBOXに保存して下さい。または、ITBOXにログインして、piのホームディレクトリーで、

      wget  http://download.itplants.com/dl/ITBOX/update20180618.taz

      して下さい。

      次に、コンソールで、

      >cd /
      > sudo tar zxvf /home/pi/update20180618.taz
      >sudo reboot

      でアップデートされます。

      update20180618.tazのアップデート内容

      shutdownアプリ

      安全なITBOXの停止

      WiFi設定

      元々、Coderに入っているアプリですが、動作しなかったバグを修正して動くようにしました。

      CameraSchedule

      LED Controlチェクボックス追加。このチェックボックスをチェックすると、カメラ撮影時にアイティプランターのLEDが強制的に点灯します。チェックを外すと、カメラ撮影時に、アイティプランターのLEDは強制的には点灯しません。チェックボックスのチェックが反映されなかったバグを修正しています。また、暗闇で急にLEDが点灯した場合、カメラの自動露出が間に合わないために白っぽい写真になるため、カメラの自動露出が完了する5秒間のディレィを入れました。

      cultivationPrg

      アイティプランターとの接続が不安定になるバグを修正しています。具体的には、非同期通信処理を行うnodejsと、逐次処理を行うsendcomとの間で、衝突が起こっていました。sendcomのジョブが終了しない内に、新たなsendcomのジョブが投入されて、戻り値が不安定になっていました。pyhonでsendcomのジョブをまとめて実行するようにして問題を解決しています。